先日、社内の企画系の部署の方と話す機会をセッティングしてもらって話をしてきました。いろいろと、良くも悪くも現状がわかっていい機会でした。
結論としては、
「自ら行動を」
ということだったと思います。
批判、評論、も優秀でなければできない面もあるのですが、優秀・頭がいいだけでは何も変えられない。行動力の軸が必要です。逆に行動力の軸が伸びている人は、仲間を通して必要な知識、分析、は補完できるので、論理・行動が相伴ったあるべき姿には近いところにいるかもしれません。
今、いろいろな場面で不足感があるのはこの行動力。今ある環境を最大限利用して、まず動く。個としての充実感を得る意味でも、これだけ動くための大義名分がある時代はある意味チャンスかもしれません。
また最近、大前研一著
「「知の衰退」からいかに脱出するか?」を読みました。
経済、政治、若者、といった切り口から日本の集団知がいかに衰退しているかを示し、警鐘を鳴らしている本です。
そこでの結論は、「国は衰退しても自ら立てば(行動を変えれば)納得のいく生き方ができる」というものです。
著書からは現状日本のあまりの情けない状況に、半ば諦めそうになりながらも(9割方諦めている?)、最後の気力を振り絞って、心ある人(の可能性がある人)を奮い立たせようとしている内容なので、是非読んでもらいたいですが
(※)ここでもやはり自らの行動でしか変わらないことを言っています。
(※)響かない人にとっては全くもって不愉快になる本だとも思います。
共通してあるのは、今のシステムへ頼らない強さ…と言えば聞こえはいいですが、端的には今のシステムへの見切り、諦観、決別です。その状況は残念でもあり、システムとして立て直して行くべきことだとは思いますが、今はその段階・時期ではないのかもしれません。
ただ、個々が動くことが前提として、一人だけで動くというのはあまり得策ではありません。やはり世に大きなインパクトをもたらすには、知力・才能・行動力を結集させる必要があるでしょう。ではそういう力をどう集めるか。ソリューションとしてはありきたりですが、ネットを媒介としたコミュニティが効果を持つと思います。
多くの面で悲観的な感がある日本でも一億数千万人、全員が自分だけ、自分のまわりだけ、自分の世代だけ、良ければ良いと思っているわけではないでしょう。心ある人はそれぞれの持ち場で今の仕事をこなしながら何かしら考え、行動をしているはずです。
この人たちが皆、今の持ち場を離れて(例えば職を辞して)リアルに集まり、政党を作ったり、と言ったことは不可能です。でもバーチャルならできる。
そんなことは皆さん百も承知だと思うのですが、果たしてどれだけの人がそういう環境を使い倒しているか。
国内のメディアがひどいという話はありますが別に無理に今の日本のテレビ、新聞を見なくていいのです。ネット上ではいくらでも海外メディア含め情報があるのですから。
大学の講義内容もOpenCourseWareとして海外トップ校を含め、多くの大学で教材が利用可能となっています。
直面する課題に対するアイディアを皆に訴えたければblog、sns、等を用いて全世界に発信できます。
環境は既にある。
あとはいかにそれらを使って行動するか。
2週間ほど前の宮田先生の「経営の設計学」で
「減らすビジネス」が利益を生むを読んで、ちょうど良く似た例が今日のニュースで出ていました。
ユニチャームが日立と組んで介護機器で新会社を作り、おむつの使用量を従来の1/3にする
(※)ようなビジネスを展開する、という話です。
(※メリットはそれだけではないですが)
「減らすビジネス・・・」のコラムを読んだ時は、環境の面から資源を節約の方向に向かうのは納得するものの、「減らす」に限定すると言うより、自社のスコープを広くとる、ということではないかな、と思いました。コラムの例だと、何でしょう。富士ゼロックスのミッションは「複写機を売る」ではなく、「顧客の複写に関わるコストパフォーマンスを最大化する」とか?でしょうか。
ユニチャームも不織布・吸収体のビジネスをしてはいるものの、その
事業についての説明を見てみると、目指すところは「この世に生を受けたその日から、健康で健やかな人生を送ってほしい。」という願い。おむつ製品としての売上はこの事業周りでは多少下がるかもしれないですが、そもそもの事業目的には合致している。そういうことなんですね。
修論発表の前日、NHKスペシャルの
「沸騰都市」シリーズのシンガポールの回を見ました。
シンガポールは日本以上に国土も資源もないアジアの国ですが、一人当たりGDPでは既に日本を抜き去り、アジア1位の国となっています。この躍進を実現したのがリー首相の強烈なリーダーシップです。
GDPの成長の種としての科学発展(ノーベル賞は二の次と言っていた)に力を入れ、トップサイエンティストをどんどん引き抜いていきます。バイオポリスと呼ばれるバイオ関係の最先端研究施設には欧米の研究所長クラスが何十人も、日本からも引き抜かれて、最高の環境の中(実験装置購入の限度額が非常に高い、サポート体制が整っており事務処理、実験準備、両面で”雑用”的な仕事から解放される、など)でしのぎを削っています。
ただし数年の契約が前提。常にトップレベルの結果を出すことを求められます。研究者だと、ScienceやNature、Cellといった超トップ雑誌に結果が載らないと安泰ではなく、それに準じた雑誌に10本載ってもさほど評価は上がらないとのこと。成果を出せなければ契約は更新されません。
ここまで環境面で最高のものを提供すると言うことは、”言い訳”ができない、ということです。結果が出せないのは自分の才能がないからだ、と認めざるを得ません。これは相当なプレッシャーだと思います。
一方で、単純労働者には非常に厳格な入国管理が行われています。建設現場等での労働のために入国・滞在できる期間は2年。家政婦などで働く女性労働者には妊娠検査も義務付けられ、妊娠が見つかれば即退去となるとのことです。
外国人労働者はあくまでバッファとしての働きであり、雇用情勢が厳しくなればそのバッファは切り捨てられます。この点についても、外国人記者に聞かれたリー首相は、「シンガポール人に選ばれた私がシンガポール国益を守るのは当然のことだ」と非常に歯切れがいいです。
(注:この部分はTVでやりとりの一部が部分的に切り取られたものだったので、少々偏った報道の可能性もあります。)
このような強引とも言える国策には異議を唱える人もいるでしょう。ただシンガポール国内では国会でも与党が9割くらいを占める圧倒的な支持を受けています。見る見る自国が発展し、その国際的地位を向上させる様は自らの誇りを高め、人生の充実感を強固にし、希望に溢れるのだと思います。
その一方で、日本を振り返ると大丈夫なんかい、と思うことが多いです。
経済的発展について言えば、「日本はこれ以上経済的には発展しなくてもいいのだ」と半ば楽観、半ば諦め風に言う人もいますが、国力がなければ文化も保てなくなる危険もありますし、何より希望・活力・充実感がなくなる(経済だけが希望だとは言いませんが)面を軽視しているように思います。
政治については・・・もう、何とも良い様がないです。政治家も政治家ならメディアもメディアなのでどこがどう悪いと言うのは一概に言えませんが、やはり金融危機や景気後退で企業が倒産、リストラ、と今の世を生きる人にとっての幸福だとか安心だとかが大きなリスクにさらされ、これからどうしていこうか、と言う時に、テレビをつければ呂律の回らない大臣が映し出され、それをどこかの党首が下らない命名をして、何ていうのを見ると凹みそうになります。
心ある人が、頭を使って、頑張らねば。
今日は来日しているヒラリー・クリントンさんが東大でタウン・ミーティングに参加するとのことで、入り待ちをしてきました(笑)。
会場となったのは本郷キャンパスのすぐ隣、農学部キャンパスの弥生講堂・一条ホール。工学部の学生の若干名、参加者が募られており、知り合いの顔もちらほら見受けられました。ヒラリーさんということもあり女性参加者にウエイトを置いていたようです。
16:00~17:00の予定だったので、15:20分くらいから弥生門を入ったところで、ちょうど修論発表を終えたばかりの社会人同期と一緒に待ち始めましたがなかなか来ない。。
外国人メディアの人たちも結構います。
途中で車が来るたびに野次馬(1,000人くらいいたでしょうか?)がざわめくのですが、皆違います。
初めはヒラリーさん対応としては結構、野次馬に寛容な警備だな、と思いましたが(野次馬がかなり行儀が良かったのもありますが)、徐々に警察犬やら警備車両が増えてきました。
17時頃には街宣車が門の付近を回り始め、警視庁と少々小競り合いがあった模様ですが、大きな混乱もなく、ただ時間だけが過ぎていきました。とにかく寒い。。
すっかり夜になってしまいました。この時点で18時少し前。2時間半ほど待っていたことになりますが、そろそろ寒さが限界に来て、18時になったら諦めて帰ろう、と同期と話していました。そして、18時まで後1分。帰ろうか、と思っていたところ・・・
数台の車が滑り込むように到着。あっという間でした。後からのTV報道によれば、白い車に乗っていたとか。暗くて姿は確認できませんでした。。
以上、寒い中散々待った時間(sunk cost)が無駄じゃなかったと言いたいための(?)エントリでした。
今日無事に修論発表が終わりました。ホッとしました~。
12月末になって大幅な構成変更を余儀なくされて、年末返上でやり直していただけに、やっと一息つけた感じです。
週末から10回近く発表練習して、ほぼ時間どおり(20分発表)になっていたにも関わらず、本番ではどうしても早口になってしまうのか、2分程短く終了。質疑応答になりました。
質疑応答では、企業に対するインプリケーションについての話が中心となりました。
これは実は研究室の教授から言われていたのに加え、修論提出後に副査の先生に面談に行った時に「分析だけではだめ。アクションプランにつながる話がなければ。」と宿題を出されていたのでいろいろ考えておいたのが功を奏し、まぁまぁの受け答えはできたかと思います。
内容についてはまた別途書くこととします。今日はとりあえず、息抜き~。