他学科ですが
「技術と経営」という講義で、各回いろいろな人を招いてオムニバスに技術と経営に絡む話を聞けることを知り、今日から出てみました。
登場する人物は、
・ITベンチャー
・ベンチャーキャピタル
・大学発ベンチャー
・「失敗学」の畑村洋太郎先生
・講義「技術ロードマップ」で分析した森精機製作所の社長
・我らがTMIの教授、松島先生
・大手電機メーカーの研究所、主管研究員
と、なかなかバラエティに富んでいて面白そうです。
で、さっそく今日は某ITベンチャーの社長の話だったのですが、内容は…残念なものでした。
事業内容は大学等で出された論文の理論を実装し、使えるものとして世に送り出していく、というものらしくなかなか面白そうで、その意義や苦労といったことをいろいろ話してもらえると面白かったのですが、話のテーマは
「自己実現とは」「大企業に就職するとは」
といった気合いの入った(?)もので、かつかかっているバイアスが強い。
特に大企業については相当ネガティブな印象(感情?)があるらしく、いわく
「大企業は官僚主義で新しいことにチャレンジできない、してはならない」
「優秀な人ほど離職して行き、平均レベルは下がる」
「大企業ではまず『勝手なことをするな』というところから仕事が始まる」
「そんな官僚主義の大企業ではイノベーションは起きない」
「大企業ではゼネラリストが牛耳っていて、理系は文系と比べて家一軒分損している」
などなど…。
大手企業に分類される会社にいる私も、官僚主義の存在やその弊害があることを否定はしません。ただ物事には表裏両面あるもの。しかも企業規模のみによる単純化はちょっとやりすぎな感が。
”多少不安定さがあること以外は全部ベンチャーの方がいい”的な説明は多少でもクリティカル・シンキングをする人にとってはかえって逆効果のような気がしますが、日頃感じている鬱憤を発散したかったのでしょうか?(普通の学生は大企業バイアスがかかっているから、敢えて強度の逆バイアスをかけようとしたのかもしれません)
講義の後半ではややニュートラルな表現も出てきて落ち着いた感がありましたが、「大企業のリスク」について30分も聞くよりは、ベンチャーを立ち上げた中での具体的な苦労話、志の話、生み出そうとしている価値についての話を聞きたかったです(実際この話は5分もなかった)。
内容が良ければ同期にMLで知らせようと思いましたがとりあえず保留。今後がやや心配になりましたが、とりあえず有名どころだけでも聞いておこうと思います。