昨日、ゼミでの研究報告会があり、その準備にここ数日は忙殺されていました。金曜から日曜の朝にかけては家を一歩も出ずにひたすらデータ処理とその分析をしていてなかなかしんどい思いをしました。とりあえずの形にはなった('形にした'と言ったほうが正しい)のですが、自分自身納得のいく形ではなく、秋の学会に向けてもう少し考えてみたいと思うところです。
しんどかった原因は、余り良い結果が先々週までに出ていなかったことにあります。これがサボっていてそうなら話は単純なのですが、真面目にやったからといって結果がでるわけでもないのが研究で、そこに通常のプロジェクト管理と違う難しさがあるように思います。
多くの研究は、「仮説検証プロセス」ということができると思います。
(全部の研究かな?とも思いましたが、そうではない研究があるかもしれないので"多くの"としておきます。)
「○○の原因は××にあるのではないか?」
といった「仮説」を立てて、それが正しいかどうかを判断するための「方法論」と、検証に使う「データ」を収集・整備して、仮説を検証するわけです。
まぁ、それはそうだよね、と思われるかもしれませんが、少なくとも私のような凡人にはスイスイとはいかないことが多いのです。
まず、「仮説」設定段階ですが、"うまい"仮説が立てられたら、もう研究は半分くらい進んだようなものと言えるかもしれません。
今、私は企業パフォーマンスに関する研究をしていますが、例えば
「事業の選択と集中が企業業績(利益率)の良さに利いているのではないか」
などという仮説を初めて唱えることができたらすばらしいわけです。
これを立証をするために、例えば事業の集中度をHHI(ハーフィンダール指数)で表し、営業利益率との相関を回帰分析で調べる(「方法論」)こととし、事業の売上データ、利益データ等を集めてHHIを計算するなどして(「データ」の収集・整備)、見てみると、事業の集中度と利益率に正の相関がバッチリ出た、何ていうのは皆のお手本になるような話になるわけです。
しかし、「仮説」が例えば「従業員数が多いほうが業績がいいのでは?」などと立ててしまうと苦労します。
(実際、この仮説の場合は、方法論もデータ収集・整備も簡単なのですぐ結果がわかり、修正できると思いますが。)
例え、頑張って検証方法を考えてデータを集めて分析しても、立証されない結果となった場合には、やはりあまり面白い結果と言えず、他を考えることになるわけです。
「仮説」はある種の洞察力が必要と思いますが、これは何もないところからウンウンと唸っていてもなかなかでません。そこに至るまでには先行研究の調査に始まり、いくつかの仮説候補を実際に分析してみることが必要です。
要は、仮説設定と言うスタート地点に着くまでに何回も仮説設定とその分析の繰り返しが必要となるわけです。しかもうまい問い(仮説)ができるまではいろいろ分析しても何もやっていないように見えるので困ったものです。
何だか書いているうちに言い訳っぽくなってきました。。。
いろいろ難しさを書きましたが、ではどうやっていけば良いのかということを今度書きたいと思います。(もっとも、いろいろと意見を聞きたいところですが)