今回のテーマは人材マネジメント。DHBRから「経営者育成論」と「A、B、Cクラス社員の評価基準、扱い方」についての論文を読んでそれらの要約と改善提案をする、というものです。
題材は以下の論文です。
・「経営者人材」育成論 (三枝匡著 DHBR Jan 2007)
・困ったAクラス社員を手なずける法 (スティーブン・バーグラス著 同上)
・「Bクラス社員」のレーゾンデートル (トーマスJ.ドゥロング著 同上)
・「Cクラス社員」のモチベーションを高める法
(ナイジェル・ニコルソン著 DHBR Sep 2003)
・協調性なきクリエーターをいかに管理するか(ローレンスR.ロスステイン他 著 同上)
・Aポジション・マネジメント (マークA.フリセド他 著 DHBR Jan 2007)
乱暴ながらはじめの4論文の内容を一言で要約すると、
・経営者を育てるためには、座学などで得た理論を現場それも修羅場で試すことで、自戒を含む強固な因果律データベースを作らせることが重要
・情緒不安定なAクラス社員に対しては、「花を持たせる」「個人的に頻繁にほめる」「共感できる他人の失敗体験からチームワークの重要性を学ばせる」などの方法が有効
・Bクラス社員は大きな環境の変化の中でも組織に安定をもたらす。その価値を再認識し、成果をしっかり評価し、様々な選択肢を与える、などの施策で報いることが成功につながる。
・Cクラス社員に対しては、1.問題社員となってしまった状況の全体像を描き、2.当初望んでいた目標(Cクラス社員のこの行動をこう直す、など)を設定しなおし、3.公式に対決の場を整えて直接に対話する、アプローチを採るべきで、そのメリットは問題社員の周囲にも及ぶ。
といった感じでしょうか。
三枝さんの、仮説・検証プロセスをまわす、というのはごくまっとうなことを言っているな、という印象です。三枝さんと言えばご自身の体験をもとに、
「戦略プロフェッショナル」や
「V字回復の経営」などを書かれていますね。物語を楽しみながら経営戦略の考え方が身につく本で好きです。
発表ではそれに加えてEQの話をしました。
Aクラス社員・・・の話についてはその定義自体からいろいろと議論を呼びそうな話ですが、どのタイプにも共通して言えることは、
・表面だけでなく奥に潜むものもできるだけ理解する努力をして全体像を捉える
・客観的な事実でもって自他共に分析する(例えば話をしている絶対的な時間数を人毎に計るなど)
・思いやりを持ちつつ、毅然として臨む
ということでしょうか。ビジネスに限った話ではないですが。